約80ものローカル言語があるといわれているフィリピンでは、異なる地方の人々が意思疎通を図るのは容易ではありません。そんな時のコミュニケーション言語として英語は用いられてきました。また、待遇の良い外資系企業や海外に就職するための手段として英語は重要なスキルであるため、英語教育に力が注がれています。
フィリピンの人々の英語力に注目したIBMやマイクロソフトなどのグローバル企業は、人件費がリーズナブルなフィリピンにコールセンターを移動。そこではフィリピン人のオペレーターが数々の質問やクレームに流暢な英語で対応しています。このことからもうかがえるように、訛りは各個人によって多少の差はあるもののフィリピンの人々の発音は聞き取りやすく、特にコールセンターや講師経験者の人たちはネイティブ英語圏の人々に問題なく通用するレベルといえるでしょう。
オンラインビジネス英会話のソフトを販売しているアメリカの企業・GlobalEnglish(現在の社名はPearson English)が2013年に行った調査によると、78ヶ国137,000人の非ネイティブの英会話者を対象にしたビジネス英語力世界ランキングではフィリピンが1位。
via www.economist.com/blogs/johnson
2013年に行われたGlobalEnglishの調査による各国のビジネス英語指数(BEI)のスコア
ビジネス英語指数(BEI)のスコアは全部で10段階。1〜3は初級、4〜6は基礎、7〜8は中級、9〜10は上級という評価になっています。フィリピンは、商談で難易度が高めの役割を果たせるというレベルの7.95のスコアを獲得。(ちなみに日本は、基礎レベルの4.29。)このビジネス英語指数はグローバル企業が拠点を置くひとつの指標とされているので、スコアの高いフィリピンに世界中の企業のコールセンターが集中するのも頷けます。
しかし、全てのフィリピンの人々が英語を上手に話せるわけではありません。学歴や育ってきた環境によって英語学習状況は様々。給与が高く、人気職業である英語学校の講師に採用されるには、一般的に学歴や発音、語彙力、文法力などを厳しくチェックされているので高い英語力をもっています。しかし、 それでも講師の質は一様でないのが現状。そのため運営歴が長く、講師の質の安定を図っている語学学校を選ぶことが重要です。